エンジン本体が車体から降りた状態で自社塗装の場合ですと、約8万円~10万円でエンジンルーム塗装を承ります。
塗装箇所に錆等の腐食がある場合には、板金作業料が別途必要となります。
HGC211 スカイライン ジャパン エンジンルーム塗装
オーバーホールでエンジンを降ろすので、折角なのでエンジンルームを車体色と同色にしたいとのご依頼をいただきました。
エンジンルーム内はパッと見そんなに痛んでないように見えますが、よく見ると・・・
黄色丸内の表面に何やらブツブツ?が確認できますが、これは塗装が浮いてきている状態です。
バッテリー横の黄色丸内には、錆が発生していました。バッテリー液を補充する場合等に、液が垂れて塗装が剥離し、錆の原因となります。
前オーナーさん所有時に施工されたのでしょうが、マスターバックや配管が赤く塗装されているので、これも手直しします。
ますはオーバーホールの為にエンジンを車体から降ろします。
エンジンは同時進行で他のスタッフが作業を進めます。
この黒いカバーは日産純正品ですが、これを外すとカプラー等の電装部品が姿を現します。
当車両はキャブレター仕様なので、インジェクション関係の不要な配線を撤去し、カプラー接点を洗浄スプレーでクリーニングしてやります。
塗装の邪魔になる部品は全て取り外し、ドンガラの状態にします。
ライトやラジエーター周りも全ての部品を取り外します。
コアサポート部には錆による腐食等はありませんでした。
エンジンルーム内の状態を細かく確認していくと、運転席側アッパーマウント下部(黄色枠内)に見つけたくないものを発見しました。
腐食による穴です・・・
これは表面処理だけではNGと判断します。
このような場合には、腐食箇所の周辺をサンダーで切り落とし、鉄板溶接で再建します。
タイヤハウス内から見た、切り落とした箇所になります。
補修用鉄板を切り、大まかなサイズと形状を合わせます。
車体側の湾曲に合わせて曲げ加工し、不要な部分をカットして形状を整えていきます。
穴と鉄板の形状が一致したら、鉄板の全周を溶接してやります。
溶接の強度を確保する為に、エンジンルーム側の溶接も行います。
ベルトサンダー等を使い、溶接部の凹凸を削ります。
段差はパテを盛りペーパーで研磨してフラットにしてやります。
助手席側もアッパーマウント下部に腐食が(黄色枠内)が確認されましたので、運転席側と同様に作業を行います。
助手席側 アッパーマウント下部
助手席側 補修用鉄板
助手席側 アッパーマウント下部
助手席側 アッパーマウント下部
助手席側 アッパーマウント下部
助手席側 エンジンルーム
板金作業が完了したので油汚れや溶接のスス等を洗浄し、塗装作業に進みます。
サフェーサーを塗布し下地処理を行います。
鉄板溶接したアッパーマウント下部は、段差や継ぎ目も無く綺麗に仕上がりました。
助手席側 エンジンルーム
フロント コアサポート部
塗装後は自然乾燥させ、研磨剤で磨きをかけて光沢をだします。
助手席側 エンジンルーム
運転席側 エンジンルーム
フロント コアサポート部
冒頭でご紹介(5枚目画像)した赤い塗料が付着したマスターバックですが、ワイヤーブラシで表面を研磨して錆も一緒に落とします。
研磨後は塗装して防錆対策を講じます。オイルタンクは経年変化による劣化や油脂の汚れで見た目が悪いので、新品部品に交換させていただきました。